『31年分の恋』の漫画は、コミックシーモアで読むことができます。独占先行配信作品のため、Amazon Kindleやピッコマといった他の漫画アプリでは読むことができません。
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漫画『31年分の恋』の作品紹介
あらすじ
この灰色の毎日から、誰かが連れ去ってくれる、そんなことはあり得ない夢物語――そう思っていた、あの日までは。
働かない母に尽くし、自分を殺して生きてきた如月紗良(31)。楽しいことも、恋をすることも、すべてあきらめていた。なのに、別世界の住人だと思っていた、社内で人気の若手エース・風見の一言が紗良の背中を押してくれる。一歩を踏み出した紗良を、彼は泥沼の家族から強引に連れ出してくれて――!!? 風見の近すぎる距離、向けられる特別な視線。31年間ずっと抑えてきた想いが走り出す―――!!!
作者
- うみやまねこ
- 成瀬ちはや
登場人物
如月紗良
如月紗良は、31歳の女性会社員です。株式会社礼栄デザインに勤務しており、仕事は真面目にこなすものの、家庭では働かない母親の世話に追われる日々を送っています。幼い頃から母親におしゃれや恋愛を否定され続け、自分の感情を押し殺すことに慣れてしまった人物です。
妹の明莉が優遇される一方で、自分は結婚も恋愛もできないダメな娘だと責められ続けてきました。同僚からも容姿や生き方について心ない陰口を叩かれることがありますが、それを聞いた風見に庇われたことで涙をこぼします。
風見との交流を通じて自分の気持ちに向き合うようになり、実家を出るという大きな決断を下します。長年家族のために自分を犠牲にしてきた紗良が少しずつ本来の自分を取り戻していく様子が本作の軸となっています。
風見
風見は、紗良と同じ会社の営業部に勤める若手社員で、社内でも人気のある青年です。残業中の社員におにぎりを差し入れるといった周囲への気配りを欠かさない性格で、特に紗良の好みを覚えて手渡しする、さりげない優しさを見せます。
同僚が紗良の陰口を叩いた際には毅然とした態度で彼女を庇い、着飾らなくても美人だと真顔で伝える率直に思いを言葉にするタイプです。
紗良の家庭の事情を知った後は実家を出ることを後押しし、母親との衝突では紗良を守るために駆けつけます。母親から役立たずだから引き取ってほしいと心ない言葉を投げつけられた際にも迷わず紗良を引き受ける宣言をする真っ直ぐで誠実な人物です。
紗良の母親
紗良の母親は、働かずに紗良に生活の面倒を見させている人物です。普段からソファに寝そべってお菓子を食べ、家事や仕事を紗良に任せきりにしています。
妹の明莉が駆け落ちした際にはずっと怒り続けていたにもかかわらず、明莉の妊娠が分かると態度を一変させ、孫ができることを喜ぶようになります。
その一方で長年自分を支えてきた紗良に対しては、結婚も妊娠もしないダメな娘だと心ない言葉を浴びせ続けます。紗良が実家を出ると宣言した際には激しく取り乱し、暴力を振るったうえで家から追い出すという行動に出ました。
明莉
明莉は紗良の妹で、派手好きでやんちゃな性格の持ち主です。5年前に妻子持ちの男性と駆け落ちして家を出ていましたが、物語の冒頭で突然実家に帰ってきます。帰宅するなり姉の紗良や実家の様子を古臭いと見下すような発言をし、妊娠を報告して母親を喜ばせます。
相手の男性とはすでに別れており、新たに交際していた別の男性との子どもだと悪びれることなく説明し、新居が決まるまで実家に同居すると一方的に宣言します。妊婦向けの食事を用意するよう紗良に命じるなど、身勝手な振る舞いが目立つ人物です。
漫画『31年分の恋』の感想(ネタバレあり)
抑圧された紗良
本作を読んで最初に胸に迫ったのは、紗良が長年抱えてきた感情の描き方です。子どもの頃からおしゃれをしようとすれば母親に否定され、社会人になってからも自分の変化を許されずに生きてきた紗良のことに共感できる部分があるのではないかと感じました。
特に31年間生きてきて自分には家族と仕事以外に何もないと気づく場面や、この不満が妥当な感情なのかも分からないという独白には、長年自分の気持ちを後回しにしてきた人特有の苦しさがにじんでいます。
誰かに話を聞いてほしいと思いながらも打ち明けられる相手がいないという孤独感。紗良というキャラクターに感情移入しながら読み進めることができました。
風見の行動
風見というキャラクターの行動には読んでいて心を動かされました。同僚が紗良の陰口を叩いた場面で、照れることなく着飾らなくても美人だと言い切り、彼の紗良に対する評価の高さがはっきりと表れています。
また、紗良の家庭の事情を知った後、実家を出てもいいのだと背中を押す言葉をかけるシーンもよかったです。
彼は紗良の自己犠牲的な考え方を否定せず、そのままの紗良を肯定しながら少しずつ違う選択肢があることを示していきます。母親から役立たずだから引き取ってほしいと言われた際に、迷わず「頂戴します」と答え、これは紗良を守るという強い意志の表れだと感じましたね。
漫画『31年分の恋』はこんな人におすすめ
家族関係に悩みを抱えている人
本作は、家族との関係に息苦しさを感じている人におすすめできる作品です。紗良のように、家族のために自分の感情や希望を後回しにしてきた経験がある人にとって、彼女の葛藤や決断は他人事とは思えないものになるはずです。
母親から一方的に押し付けられる価値観や妹との扱いの差に苦しむ紗良の姿は、家庭内での役割に縛られていると感じる読者の心情と重なる部分が多くあるでしょう。
物語の中で紗良が実家を出るという選択をするまでの心の動きは、家族との距離の取り方に悩む人にとって一つのヒントになるかもしれません。
辛い状況を我慢し続けることだけが正しいわけではないという本作のメッセージが同じような環境にいる読者に寄り添ってくれる内容になっていると感じます。
年齢を重ねた恋愛描写を楽しみたい人
本作は、31歳という年齢を重ねた女性が主人公の恋愛漫画を求めている人にもおすすめです。若い頃の甘酸っぱい恋愛とは異なり、社会人としての立場や家庭の事情を抱えながら、恋に不慣れな紗良が少しずつ心を開いていくため、大人ならではの説得力があります。
恋愛に諦めを感じていた紗良が風見という存在によって少しずつ変化していき、年齢を重ねてからでも人生は変えられる前向きな気持ちにさせてくれます。
派手な恋愛描写ではなく、日常のさりげないやり取りの積み重ねから気持ちが育っていく構成になっているため、落ち着いた雰囲気の恋愛漫画を好む人にも相性が良い作品だと言えるでしょう。
